あん摩

■ 定義と由来

あん摩(按摩)とは、 日本に古くから伝わる手技療法のひとつで、 手のひらや指を使って全身をさすったり、押したり、もんだりして、身体の不調を整える施術方法です。 「あん摩」の語源は、中国語の「按(おさえる)」「摩(なでる)」に由来しており、 古代中国の医療技術として伝わり、日本で独自に発展してきました。

■ 施術の特徴 主に「押す」「もむ」「さする」といった手技を用います。 リズムよく身体を刺激することで、筋肉の緊張をほぐし、血液やリンパの流れを改善します。 全身を対象に施術を行うことが多く、体全体のバランスを整えるのが目的です。 ツボ(経穴)や経絡にアプローチすることもありますが、リラクゼーションだけでなく医療的な効果も期待されます。

■ どんな効果があるの? 筋肉のこり・緊張の緩和 血流・リンパの流れの改善 むくみの軽減 疲労回復や自律神経の調整 関節の動かしやすさの向上 高齢者や筋力の弱い方にもやさしい圧とリズムで施術が可能なため、訪問施術でも多く用いられています。 ■ あん摩を行うには資格が必要です あん摩は、国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」の免許を持つ者だけが施術できます。 この資格は、厚生労働省が認定する養成校で3年以上学び、国家試験に合格することで得られます。 無資格者があん摩を行うことは、医師法違反・あはき法違反となります。

■ あん摩と他の施術との違い 区分内容あん摩押す・さする・もむなどの手技。リズムがあり、全身施術が多い。指圧一定の圧をゆっくり加えて、ツボや筋肉を刺激する技法。マッサージ(西洋)筋肉・リンパを流す目的。オイルやクリームを使うことがある。 ※「あん摩・マッサージ・指圧」は、法律上は1つの国家資格の名称としてまとめられています。

■ 訪問マッサージでの活用 訪問鍼灸マッサージにおいて、あん摩は次のようなご利用者様に効果的です: 筋力が落ちて硬くなった筋肉をやわらげたい方 血流が悪く、足先が冷えやすい方 むくみやだるさを感じている方 体を動かす機会が減っている方(拘縮・寝たきりなど) ▶ 無理なく安全に施術でき、かつ継続することで体調管理やQOL(生活の質)の維持にもつながります。

NEW