筋萎縮

■ 定義

筋萎縮(きんいしゅく)とは、 筋肉が使われなくなることで、細くなったり、弱くなったりする状態をいいます。 簡単に言えば、「筋肉がやせ細ってしまった状態」で、 見た目にも細くなったり、触ると硬くなっていたりします。

■ なぜ起こるのか?

筋肉は、本来動かすことで維持される組織です。 しかし、以下のような状況が続くと、筋肉が衰え、痩せていきます。

✅ 主な原因

長期間ベッドで横になっている(寝たきり・廃用症候群)

ケガや病気で片方の手足を動かさなくなった(固定や安静による影響)

脳卒中などの後遺症で筋肉を自分で動かせない(麻痺)

神経や筋の病気(例:ALS、末梢神経障害、糖尿病性神経障害 など)

■ よく見られる症状・部位

太ももやふくらはぎの筋肉が細くなり、力が入らない

腕・手首・指が細くなり、動かしにくくなる 筋肉が硬くなり、動かそうとすると痛みが出る

関節も一緒に固まり(拘縮)、動作制限が起きる

■ 放置するとどうなる?

筋萎縮は、放置しておくと進行していきます。

立ち上がる・歩く・階段の上り下りが難しくなる トイレや食事など、日常生活動作(ADL)ができなくなる

転倒や骨折のリスクが上がる 心身の自立度が下がり、介護負担も増える ➡ 特に高齢者は、一度の入院やケガで急速に進行することがあるため、早期の対応が重要です。 ■ 訪問鍼灸マッサージでできる支援

✅ マッサージによる筋肉の柔軟性回復

萎縮した筋肉は硬くなりがちなので、血行を促進し、筋肉の緊張をゆるめます

✅ 軽い運動や関節可動域訓練(ROM訓練)

動かせない部位も、施術者が他動的に動かすことで、筋肉や関節の働きを刺激します ✅ 鍼・灸による神経刺激と循環改善

筋肉や神経の働きを助け、動きの感覚を取り戻すきっかけになります

✅ モチベーション支援

「自分で動ける力」を維持・改善することで、ご本人のやる気や自己肯定感を支えます

■ ご家族・介護者へのアドバイス

「年のせい」と思って放っておかないこと

たとえ動かせない部分でも、他動運動やマッサージは効果がある

専門家に相談し、少しずつでも動かす習慣を取り戻すのが大切です

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