拘縮予防

■ 拘縮(こうしゅく)とは?

まず「拘縮」とは、関節の周囲にある筋肉や腱、靭帯などが硬くなり、 関節を自由に動かせなくなる状態をいいます。 肘が伸びきらない 膝が曲がったまま戻らない 手首が反らせない など、動かしづらさだけでなく、生活動作に直接的な支障が出てきます。

■ 拘縮予防とは?

拘縮予防とは、 関節が動かなくなってしまうのを防ぐために、 日々のケアや訓練で関節や筋肉の柔軟性を保つことを指します。 関節拘縮は一度起こると元に戻すのが難しく、 「防ぐ」ことが非常に重要です。

■ なぜ拘縮は起こるのか?

主な原因は以下のようなものです

長期間同じ姿勢でいる(寝たきり・座りっぱなし)

麻痺や痛みで関節を動かさなくなる

骨折やケガで関節が固定された状態が続いた

筋肉の萎縮や関節の炎症 関節は使わなければ少しずつ硬くなります。 また、高齢者や病後の方は特に進行が早く、短期間で拘縮が進む場合もあります。

■ 拘縮を予防するには?

拘縮予防の基本は、「関節をやさしく動かすこと」です。 動かすことによって、関節周囲の組織に血流や刺激が加わり、柔軟性を保つことができます。

✅ 主な方法

関節可動域訓練(ROM訓練)

施術者がゆっくりと関節を動かし、無理なく可動域を保ちます。 ストレッチや軽い体操  自力でできる範囲で腕や足を伸ばす習慣づけをします。 マッサージ・鍼灸  硬くなりやすい筋肉を緩め、動きやすくする効果があります。  

血流も良くなり、痛みや違和感の軽減にもつながります。 姿勢の調整やポジショニング  

寝たままや車椅子での座位など、関節に無理な負担をかけない姿勢づくりも大切です。

■ 拘縮予防のメリット

「今できている動作」を長く維持できる トイレ・更衣・食事など、生活の自立を守れる 寝たきりへの進行を遅らせ、介護負担の軽減にもつながる 痛み・しびれ・動きの制限を防ぐ

■ 訪問鍼灸マッサージでの実践

訪問施術では、ご利用者様の身体の状態に応じて、 以下のように拘縮予防を日常的に行います: 硬くなっている関節を1か所ずつていねいに動かす(関節可動域訓練) 筋肉をゆるめるマッサージ 鍼灸で血流と神経刺激を与え、筋の緊張をやわらげる 日常生活の中で「動かすきっかけ」を増やすようアドバイス

▶ 小さな積み重ねが、将来の「動ける体」を守ります。

NEW