糖尿病性神経障害

■ 定義

糖尿病性神経障害とは、 糖尿病によって血糖値が高い状態が長く続いた結果、体の神経が傷ついて起こる障害のことです。 糖尿病による合併症のひとつであり、糖尿病網膜症・糖尿病腎症と並んで「三大合併症」のひとつに数えられています。


■ どんな神経に影響が出るの?

糖尿病性神経障害は、主に次の3つの神経に影響します

種類内容

① 末梢神経手足の感覚や動きをつかさどる神経。しびれ・痛み・感覚鈍麻などが出やすい。

② 自律神経心臓、胃腸、膀胱などの内臓の働きを調整。便秘・立ちくらみ・排尿障害などが出る。

③ 運動神経筋肉を動かす神経。足に力が入りづらくなったり、動作がぎこちなくなることも。


■ よくある症状

✅ 足のしびれ・痛み(特に両足のつま先・足裏から)

「ジンジン」「チクチク」「焼けるような痛み」 靴下を履いているような感覚の鈍さ(ソックス型感覚障害)

✅ 感覚の鈍さ 触られても気づかない

熱い・冷たいが分かりにくい ケガや火傷をしても気づきにくくなる(→ 重症化しやすい)

✅ 自律神経の異常 立ちくらみ、動悸、便秘、下痢、発汗異常 食後の眠気、夜間頻尿、排尿しにくさ


■ なぜ起こるの?

糖尿病により、血糖値が高い状態が続くと

神経の血流が悪くなり、栄養や酸素が届かなくなる それにより神経が少しずつ傷ついていく 特に足先などの末梢神経は血管が細いため、早く障害が出やすい


■ 訪問鍼灸マッサージでの対応

✅ 鍼や灸による神経刺激と血流促進 足先やふくらはぎに鍼や灸を行い、血の巡りを良くしてしびれや痛みをやわらげる

✅ マッサージによる筋肉の緊張緩和 筋肉の張りをやわらげ、足の冷え・むくみ・倦怠感の軽減

✅ 感覚低下によるけがや床ずれの予防サポート 感覚が鈍いため、やけどや擦り傷などに気づきにくくなります。 → ご家族や介護職と連携し、フットケアや皮膚観察の重要性を共有します。

✅ 歩行訓練・関節可動域の維持 神経障害によりバランスを崩しやすくなるため、転倒予防のための身体づくりも重要です。


■ 注意点

感覚の低下により、「痛みを感じないのにケガしている」ことがあります 高血糖のコントロールが最も重要 → 医師・糖尿病専門医と連携が必要です 感覚がないからといって刺激が強すぎる施術は禁物 → 丁寧な観察と無理のない刺激が原則

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